チルチルとミチルはクリスマスイブに妖女と出会い、幸せをもたらしてくれるという青い鳥を探しに出かける。青い鳥を見つけられないまま、夢から醒めると、自分の家に青い鳥がいたことに気づく――。

貧しくても夢や希望があった高度成長期が終焉を迎え、今は停滞社会に向かいつつあると言われる。そのような社会の中で青い鳥とは何なのか。どこにいるのか。青い鳥を見つけることができるのか。そのために私たちがやるべきことは何なのか。

かつて、経済学の巨星マーシャルは「熱き心と冷静な頭脳(cool heads but warm hearts)」を兼ね備えた人々を世に送り出すことこそ経済学の役割だと語った。社会の不正に憤って叫んでも問題は解決しない。かと言って、熱き心を失えば目的そのものも見失う。あなたの情熱がアクセルでありエンジンなら、経済学はブレーキでありハンドルである。両者を駆使して、あなた自身の青い鳥を探してほしい。

各講義概要 第1回 – 第13回

TAレポート にはTeaching Assistant学生による講義レポートがあります。

市場を考える-ミクロ経済学入門

松井彰彦(経済学部)

2008年のリーマン・ショック以降、格差の拡大と相まって、市場の機能を疑問視する声が大きくなっている。しかし、市場はむしろ格差を縮める力を持っている。市場は見知らぬ人同士をつなげる場である。自由を生み、自立をもたらし、仲間内の馴れ合いを打破し、経済社会に新しい息吹きを与える市場の役割を考える。

第1回

4月11日(月) 手袋を買いに-市場理論とは?
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第2回

4月18日(月) 猫の事務所-ゲーム理論とは?

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マクロ経済学入門

福田慎一(経済学部)

マクロ経済学とはどのような学問なのかを、ミクロ経済学と対比しながら説明する。マクロ経済学の考え方は、需要サイドを重視するケインズ経済学と供給サイドを重視する新古典派経済学に大別できる。どちらの立場で考えるかによって、失業や景気循環といったマクロ現象に対する解釈は大きく異なることも概説する。

第3回

4月25日(月) マクロ経済学とは?

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金融を理解する

藤井眞理子(先端科学技術研究センター)

人は今と将来をうまく生きるために金融市場を利用する。金融システムは、私たちの生活設計や経済活動とどのようにつながっているのだろうか。金融市場で取引される資産の価格はどう決まるのだろう。金融の役割や仕組み、投資の科学について学び、不確実な未来に備えて豊かで自由な人生を送るためのヒントを探ろう。

第4回

5月9日(月) 市場と制度-金融システムの機能
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第5回

5月16日(月) 時間とリスク-投資のための理論
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日本経済を鳥瞰する

吉川洋(経済学部)

戦後日本経済60年の歩みを概観し、現在直面する課題を説明する。就業者の半分は農民、1ドル360円という時代は、高度成長(1955-70)で一変した。高度成長の終焉後、経常収支の黒字と貿易摩擦、バブル、90年代以降の経済の長期停滞などを経験した日本経済は、現在、経済のグローバル化と急速な少子高齢化、財政赤字という大きなチャレンジのときにある。

第6回

5月23日(月) 日本経済を鳥瞰する(1)
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第7回

5月30日(月) 日本経済を鳥瞰する(2)
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働くということ

玄田有史(社会科学研究所)

働くことは、最も身近な経済問題の一つだ。卒業すると、多くが仕事をする。どうすれば人生を通じて満足のいく仕事につけるのか。学力か。それともコミュニケーション能力か。大事なのは、働く背後にある「システム」の存在を知ることだ。知った上で自分なりにファイトすることだ。働く社会の青い鳥は、自分たち自身である。

第8回

6月6日(月) 自分の人生を経済学する
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第9回

6月13日(月) 働く背後にあるシステム
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世界の貧困と幸せを考える

澤田康幸(経済学部)

国内外を問わず貧困問題が深刻化している。日本は「格差社会」となり「孤族」の貧困が社会問題になっている。国際社会も国連中心に世界の貧困削減に取り組んできたが「絶対貧困」は未解決である。国や社会の隔たりを超えて、貧困の問題とは何か考え、貧しさを解決し、生き心地の良い社会に向かうための方法を模索する。

第10回

6月20日(月) 格差・貧困とは何だろうか
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第11回

6月27日(月) 貧困を解決するための手がかりはあるか
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グローバル社会を考える

伊藤元重(経済学部)

世界を駆け巡るグローバルマネーの動きを追うことで、今の世界経済のトレンドを探る。新興国への経済の重点のシフト、グローバル化によって変わる産業や国内経済の姿などを分析する。また、市場開放の流れに関する経済学の歴史をベースに、現在の世界経済の制度的枠組みのあり方について議論する。

第12回

7月4日(月) グローバルマネーの功罪と世界経済
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第13回

7月11日(月) グローバル社会の制度設計
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