
コーディネータ:石田英敬
(情報学環)
ナビゲータ:植田一博
(情報学環)
2012年度夏学期
学際情報学−情報と諸学問の融合
急速に発展している情報技術は、現代の情報化社会を支える技術的および思想的な基盤として社会全体に大きな影響を与えており、経済、社会、教育、文化・芸術、人間行動、生命等の様々な分野における知的活動を質的に変化させてきた。そのため,これら諸分野における知の営みと情報の関係を正しく理解することは、21世紀に生きる私たちにとって、文系・理系の区別なく必要である。この講義では、全科類生にとって必修である基礎科目「情報」で学ぶ概念や方法論をベースにして、それら概念や方法が、上述の諸分野でどのような影響を与え、知の営みをどのように変化させてきたかを学ぶことで、真の意味での広義の情報リテラシーを幅広く身に付けることを目指している。

俯瞰的視座と情報学の歴史
石田英敬、植田一博、林 香里(情報学環)
4月19日(木)
講義の全体像を概観し、併せて講義の進め方についてオリエンテーションをおこなう。また、情報という概念が諸学問をどう変えたのか、概観する。
情報と社会
林 香里(情報学環)
4月26日(木)
インターネット普及以前は、公共的な情報の中心的担い手は、新聞やテレビなど、マスメディアであった。今日、そのような公共的情報の流れは大きく変容している。また、「公共性」という言葉の意味そのものも変化が見られる。こうした変化に着目しつつ、情報媒体としてのマスメディアとインターネットの違いを、成立の歴史背景および思想から解明していく。
情報と人間
植田一博(情報学環)
5月10日(木)
人間は、環境との間でインタラクションをおこなう情報装置であると考えることができる。このような情報学の立場からの人間理解の系譜を解説し、どのような人間像(人間知能に対する理解)が得られたかを議論する。
5月17日(木)
5月10日講義で解説する「人間を情報処理装置として捉える」考え方の問題点を指摘し、間の知はいかなる点でコンピュータの知と異なるのかを、情動、身体、進化をキーワードに議論する。
情報と経済
植田一博(情報学環)
5月24日(木)
イノベーション(技術革新)に対する新しい見方であるユーザイノベーションを紹介し、どのようなユーザがどのような社会ネットワークの中でイノベーションの芽となるアイデアを出しやすいのかに関する情報学的な分析について説明する。
5月31日(木) ゲスト:鮫島和行(玉川大学)
消費者が商品選択等を行う際に、必ずしも合理的に判断しているわけではなく、しばしば完全に合理的というわけではないが簡便な方法で判断していることを説明する。さらに、脳科学の立場から消費者の脳の反応を計測することで、消費者心理や行動の仕組みを解明し、マーケティングに応用する試みについても解説する。
情報と生命
佐倉統(情報学環)
6月7日(木)
生命体や生命現象も、情報の流れとして見ることができる。コンピュータ・ウイルスやロボットなどの人工生命体を紹介し、そもそもなぜ人は人工生命体を作るのか、そこには人間のどのようなモチベーションが反映しているのか、検討する。
6月14日(木)
人間の知識の集積も、生命体によく似た振る舞いをする。今必要とされる学問研究のあり方について、生命体とのアナロジーから、検討する。
情報と教育
山内祐平(情報学環)
6月21日(木)
デジタル教材の普及による初等中等教育における授業の変化やインターネットによる大学授業の公開を事例としてとりあげ、情報化社会における教育環境のあり方について議論する。
6月28日(木)
情報化社会に対応するための能力として提案されている情報リテラシー、メディアリテラシー、技術リテラシーについて解説し、今後の情報教育のあり方について議論する。
情報と文化
石田英敬(情報学環)
7月5日(木)
情報メディア革命を文明における「人間の条件」の大変化としてとらえて思想的課題を検討し、21世紀の文化と知の行方を展望する。
7月12日(木) ゲスト:藤幡正樹(東京藝術大学)
情報技術は人間の感性経験にどのような変化をもたらしているのか。芸術や文化の表現にどのような可能性を生んできたのか。メディア・アートの実践者をゲストに迎えて共に考える。











