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コーディネータ:桂利行
(数理科学研究科)
ナビゲータ:宮岡洋一
(数理科学研究科)


2007年夏学期
「数理の世界
−新世紀の数学を探る」

数学は、二千年以上の長い歴史を有し、現在もなお活発な研究がなされ、急速な発展を続けている分野です。数や図形の深い性質、関数や空間の構造が次々に明らかにされており、約350年間懸案だったフェルマー予想の解決や、 約100年間未解決だったポアンカレ予想が解かれる等、最近の数学の進展には目を見張るものがあります。また、数学は思考の自由さと汎用性の広さ が特徴の分野で、諸科学の共通言語として、理学、工学、経済学、社会学など様々な分野に応用されています。たとえば、コンピュータの原理の発見のように、 数学は時として社会を根底から変えてしまうような力も秘めています。

数学は、人工的に分割できるものではありませんが、便宜上、代数、幾何、解析、応用数理の4つの領域にわけて考える習慣があります。そして自然や 社会の現象を解析する応用面からみた数学を含めて数理科学と呼んでいます。この学術俯瞰講義では、それぞれの領域において、特徴的なテーマを取り上げ、国 際的に活躍する専門家によって広い視野から数学を俯瞰し、皆さんがこれから勉学して行く上での水先案内をしたいと考えています。

前期課程で学んでいる数学が、今後学ぶであろう様々な分野の基礎であることを再認識し、皆さんがこれから進むべき道への展望を得るきっかけとなることを期待しています。

受講生の感想

数論はそれ自体が閉鎖的で他に何の影響ももたらさないなどという偏見をもっていましたが、今日の講義でその偏見が破れ去りました。(加藤先生)

この講義ではたくさんの方程式がでてきたが、それぞれに大きな意味があることに驚いた。やっぱり数学は奥が深い。(薩摩先生)

数学が具体的にどのように役立っているのかが実感できる講義で、勉強になりました。(桂先生)

難しい問題はハードウェアの進歩を待っても解けない、というのは衝撃的でした。コンピューターの限界を知ると同時に、人間にしか出来ないことがあるという好例だと思いました。(室田先生)

通常の数学の授業とは違う数学の一面が見れておもしろかった。(楠岡先生)

1つの対象を近くから見たり遠くから見たりすると色々な事が分かるように感じられた。[…]物凄くハイレベルだが、物凄く興味深かった。(古田先生)

TAレポート にはTeaching Assistant学生による講義レポートがあります。

加藤 和也 「数学の魅力」

元東京大学教授/京都大学大学院理学系研究科

大自然が持つ神秘は、数の世界に凝縮して現れ、数の世界の神秘は、素数の世界に凝縮して現れるように思われる。素数のふしぎさをめぐって、類体論を始めとして深い研究がなされてきたことを紹介する。1994年のフェルマーの最終定理の証明や2006年の佐藤テイト予想の証明が、類体論のさらなる進展によってなされたことも説明する。

第1回

4月19日(木)素数の不思議
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薩摩 順吉 「現象を解析する」

東京大学名誉教授/青山学院大学理工学部

数学の一分野に解析がある。ニュートン・ライプニッツ以来、主に微積分を用いて様々な現象が解き明かされて来た。しかし前世紀に始まるコンピュータの実用 化以降、現象解析の手段は拡がって来ている。 ここでは、前半で微積分を用いた解析がどう進んでいったかを概観し、後半でコンピュータ登場以降の流れ、とくに非線形問題の取り扱いについて解説する。

第2回

4月26日(木)現象の数理
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第3回

5月10日(木)非線形の世界
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桂 利行 「代数学の世界-整数論とその応用-」

東京大学大学院数理科学研究科

整数を用いて有限の世界を構成し、その理論がデジタル機器で用いられる誤り訂正符号の理論や、インターネット通信の安全性を保証する公開鍵暗号の理論に、どのように応用されるかを解説する。


第4回

5月17日(木)初等整数論と有限の数学
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第5回

5月24日(木)デジタルの数学、セキュリティーの数学-符号・暗号理論-
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室田 一雄 「最適化の数理−応用数理の視点」

東京大学大学院情報理工学系研究科

数学は自然科学において利用されるだけでなく、社会生活を支える重要な道具となっている。自動車や建築物のような有形物だけでなく、インターネット上の情報検索などのような仕組みを作る際にも数理的な考え方が役に立つ。社会における数学の役割と使い方を概説する。


第6回

5月31日(木)モデルとデータ‐記述する‐
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第7回

6月7日(木)最適化-設計する-
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第8回

6月14日(木)アルゴリズム-計算する-
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楠岡 成雄 「ファイナンスと数値計算」

東京大学大学院数理科学研究科

今日、金融の世界においては数学、特に確率論が盛んに用いられている。しかし、実務の世界では、すべての結果は数値として与えられなくてはならないため、 数値計算を行うことが必須となる。ファイナンスから現れる数値計算の問題は、従来の工学で発生する問題とはかなり様相が異なり、代数的手法を含む、新たな 方法が開発されつつある。これらの研究分野は近年、計算ファイナンスと呼ばれている。講義では、まずファイナンスにはどのような問題があるかを解説し、そ れを解決するために、どのような考え方がだされているか、さらに数値計算のためにどのような方法があるといったことについて述べる。


第9回

6月21日(木)ファイナンスの実務的な問題と高い次元の積分計算
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第10回

6月28日(木)伊藤解析とファイナンス
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古田 幹雄 「幾何学の営み」

東京大学大学院数理科学研究科

人の営みとしての幾何学という観点から、他分野との交流とともに歴史的に成立し、なおも変容し発展しつつある幾何学なものの見方について解説する。


第11回

7月5日(木)幾何学における認識と行為-非ユークリッド幾何と時空-
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第12回

7月12日(木)幾何学における分析と総合-双対性あるいは鏡の中の自己-
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第13回

7月19日(木)幾何学的精神とその変容-トポロジーと多様体の概念を中心に-
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