2017Aposter

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2017年Aセメスター

物質のはじまりとはたらき
― フェムト、ナノ、エクサの世界

コーディネータ 藤森 淳(理学部)
ナビゲータ 堀田 知佐(教養学部)
  • 物質科学

我々の世界が物質でできているのは周知の事実であるが、では、なぜどのようにして物質はできたのかという疑問を持ち追求していくと、物質の最小単位や宇宙のはじまりを探求する果てしない旅に出ることになる。そこには、とてつもなく高いエネルギーや短い時間の現象が支配する、極微から宇宙空間まで広がる我々の直観を越えたダイナミックな世界がある。一方、我々の周りで見られる様々な物質の多様性や先端デバイスの機能は、巨視的な数の原子や電子が集まって個々の粒子にはない新たなはたらきを生み出す創発現象である。

本講義では、このような広く限りない魅力にあふれた物質科学を、物理、化学、電子工学の第一人者が、さらに広い視野からわかりやすく解き明かす。理科I類に限らない広い分野の理系学生に加え、多くの文系学生の聴講を期待する。

我々の宇宙からマルチバース

科学の役割と物理学的世界観

宇宙は物理法則に従っている

我々の宇宙の外の世界

須藤 靖(理学部)

この世界を支配する摂理を解明するのが自然科学の目的である。しかし、自然科学の最前線が細分化されてしまっている現在、それらの根底に流れている共通目標を見失っている人々が見受けられるのも事実である。その意味でも、科学さらには学術の意義と役割は繰り返し考え続ける必要がある。今回は、特に宇宙論と太陽系外惑星をとりあげて、我々の住む世界と自然法則の関わり、さらには直接観測できない世界の存在可能性を紹介しながら、科学という営みのゴールを考えてみたい。“狭い意味での理系”以外の学生を主な対象として科学の心を伝える講義にしたいと考えている。

大きな宇宙を生み出した小さな素粒子とそれに作用する力

物質を構成する素粒子

素粒子に働く力

ミクロな宇宙が作る巨大な宇宙

浅井 祥仁(理学部)

日常生活の感覚からは、非常識極まりない振る舞いをする素粒子の基礎を学ぶことがこの講義の目的であり、過去/現在/未来と素粒子研究の基礎と発展の歴史を学び、最近発見されたヒッグス粒子、大きな宇宙誕生、進化を生み出す、小さな素粒子の役割を学び、後半は、これからの素粒子研究の向かう方向を考える。数式はなく、直感に訴える授業にします。

物質科学の基礎と工学

物質科学の基礎と現代社会

物質科学から工学へ-半導体の爆発的発展と情報化社会-

物質科学と先端研究の世界

田中 雅明(工学部)

われわれの身の回りには様々な物質があり、およそあらゆる現象や事柄の根源には様々な物質の性質(物性)とその働き(機能)が関わっている。たとえばパソコンやスマホでインターネットにつないで情報を検索する際にも、知らず知らずのうちに半導体、金属、液晶など様々な物質の性質を利用している。そうした物質の性質を決めているものは何か? 物質の性質を明らかにし、その機能を設計し工学的に利用するにはどうすればよいのか? 物質にかかわる先端的な科学および工学の研究ではどのようなことが行われているのか? 1、2年生向けにわかりやすく解説してみたい。

光る・覚える・駆動する-半導体の電子の凄技

川﨑 雅司(工学部)

現代社会を支えるエレクトロニクスの根幹には半導体技術があります。半導体では、電子の流れをコントロールして、発光、メモリー、スイッチ、増幅など様々な機能を実現しています。スマートフォンを例にとりあげ、これらの機能を説明し、背景にある物理原理と物質を活用するための材料化技術について説明します。同時に、かつては半導体技術で世界を圧倒的にリードした日本が、最近はあまり調子が良くない理由についても考えます。

現代社会における表面化学

神は固体を創造し、悪魔は表面を創作した

空気の錬金術が人類を救った

原子・分子を観測し操作する

𠮷信 淳(物性研究所)

産業革命以降、人間社会の飛躍的発展を支えたのは化学であった。化学は現代物理学の成果を取り入れ、原子・分子を構成要素として宇宙・地球・生命における自然現象を理解し、新物質を創出してきた。その結果、人類は健康・利便・快適を手にいれた。この学術俯瞰講義では、「何のために研究するのか」を意識しつつ、講演者が専門とする表面化学と社会との関わりを紹介したい。第11回では、ウォルフガング・パウリに「悪魔の創作物」だと言わしめたブラックボックス的「表面」が、様々な技術の発展のおかげで、如何に「よく規定された表面」になったかを示す。第12回では、人類の危機を救った20世紀最大の発明である窒素分子からのアンモニア合成を含む触媒反応をとりあげる。ここで表面はモノとモノが接する反応場として重要な役割を果たしている。第13回では、表面における原子・分子の直接観察や物質・材料の原子スケール制御など、ナノサイエンスの最先端を紹介したい。

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