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2016年Sセメスター

図形から拡がる数理科学

コーディネータ 坪井 俊 (理学部)
ナビゲータ  金井 雅彦 (理学部)
  • 数理科学
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辺の長さが3、4、5の三角形が直角三角形であることは、4000年くらい前には知られていたようです。「直角三角形の斜辺の二乗は他の2辺の二乗の和に等しい」というピタゴラスの定理は図形と数を結びつけるものですが、この形で理解されるにはもう少し時間が必要であったと思われます。この理解から望みの物を設計する道が開けてきたはずです。

現実の街並みも、個々の建物も、家具の一つ一つも、机の上のパソコンも本も、普段使う携帯電話も、図形の性質を用いて設計され使われています。三角形、四角形などの平面図形は、立体図形の面を構成するものですから、その性質を十分理解する必要がありました。

2000年以上前に著されたユークリッドの『原論』では、公理に基づく演繹的な図形と量の理論が展開されています。このような厳密な図形の理論の上に、現代の私たちの生活は成り立っています。立体図形の世界は非常に豊かで、現在でも新しい現象が発見されています。

この講義では、図形の性質をどのように理解してきたか、その理解が現実にどう役立てられているか、新しい社会の要請と、それに対応するための現代の図形の数理科学の発展を解説します。予備知識は高等学校の数学程度です。

多面体をめぐって

第1回 4/7 オイラーの公式と正多面体

第2回 4/14 コーシーの剛性定理と変形する多面体

第3回 4/21 多面体に関わる未解決問題

金井雅彦 (理学部)

これら3回の講義の主役を務めるのは、皆さんにとってもなじみ深いはずの多面体です。一見とても素朴に見える対象ですが、意外なことに多面体に関わる未解決問題が少なからず存在します。しかもそれらの問題の多くは、初等的な言葉で述べられています。ときに工作なども交えながら、多面体について知られていること、そして未解決なことを紹介する予定です。普段学校で学ぶ数学とは味わいの大きく異なるそれをお楽しみ頂けたらと願っています。

折紙の数理と計算

第4回 4/28 計算折紙とかたち

第5回 5/12 折紙のメカニズム

舘知宏 (教養学部)

伝統的な遊びである「折紙」は現在では、アート、数学、計算機科学、材料科学、生命科学、構造工学、ロボット、建築など分野を横断し、国際的に研究されるホットなテーマ「Origami」となっています。この学際的なテーマを橋渡しする折紙の数理と計算手法を紹介します。ほぼ全ての形を折紙で作るための設計システム、折り畳みのメカニズム、かたくてやわらかい折紙構造の設計などについて解説します。

周期性と対称性

第6回 5/19 対称性を見つける・周期性を見つける

第7回 5/26 回転と平行移動で空間を理解する

第8回 6/9 空間を埋め尽くす多面体

坪井俊 (理学部)

日常生活でも自然の中にも、対称な図形をたくさん見かけます。美術品も美しい対称性が見られるものも多くあります。また無限に広がった図形には、周期性が見られるものが数多くあります。我々の住む空間の中の対称性や周期性を数学の言葉で表すことができます。そして、現れる対称性や周期性は何通りかに分類されることも示されます。

シミュレーションと多角形・多面体

第9回 6/16

齊藤宣一 (理学部)

津波の遡上など、いろいろな現象がコンピュターを用いて模擬実験 (シミュレーション) されています。構造物などの計算対象は一般に複雑な形をしていますが、それらを小さな三角形や四面体の集合と考え、形を表現しています。シミュレーションの立場から、良い三角形・四面体の形について考察します。

対話的形状モデリング

第10回 6/23

五十嵐健夫 (理学部)

ゲームや映画で使われるコンピュータグラフィクス技術や、工業製品や建築物の設計に使われるCAD技術の基礎となる、形状モデリング手法について紹介します。特に、なるべく簡単な操作で、3次元形状や物理的性質を満たす形状といった高度な図形表現を作成するための方法について議論します。

4次元多面体から空間のかたちをみる

第11回 6/30 4次元の図形を見よう

第12回 7/7 空間が曲がっているとはどういうことか

第13回 7/14 宇宙のトポロジー

河野俊丈 (理学部)

私たちは3次元空間の図形を平面に投影して表しますが、4次元空間の図形を視覚化するにはどうすればよいのでしょうか。この講義では、まず4次元空間の正多面体について考えます。次に、ユークリッド『原論』から非ユークリッド幾何学の発見、リーマン幾何学にいたる空間認識の歴史を説明します。さらに、現在の宇宙論と幾何学の成果から「宇宙のかたち」についてのアプローチを述べます。

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