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2015年Sセメスター

宇宙・物質・社会-物質の成り立ちから応用まで

コーディネータ 家 泰弘(物性研究所)
ナビゲータ   福島 孝治(教養学部)
  • 物質科学
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この学術俯瞰講義は、理科Ⅰ類の学生諸君はもちろんのこと、生命科学系や人文・社会科学系の学生諸君の受講も大いに歓迎し、期待します。

一連の講義で、自然界および現代社会における「物質」の諸相を俯瞰します。われわれが棲むこの宇宙がどのように始まり、物質がどのように創られたか。物質の性質(物性)がそのミクロな構成要素である原子や電子のふるまいからどのように生じるか。それらを解明するためにどのような先端的実験手法が用いられ、新たな概念が生み出されているか。そして持続可能な社会を営むためにどのような物質の機能が利用されようとしているか。これらを、第一線の研究を行っている専門家たちによる講義を通じて俯瞰し、自然界の成り立ちや物質の諸相を理解するとともに、われわれが将来にわたって物質を賢く利用するための素養を身につけます。

総論、物質の科学史、現代社会と物質

第1回 4/7

家 泰弘(物性研究所)

導入として、学術俯瞰講義の全体の流れと各講義の位置づけを説明します。続いて「物質の科学史」として、古代から中世・ルネッサンス期を経て自然観や物質観がどのように変遷し、近代科学に繫がってきたかを辿ります。さらに、現代社会を支える電子機器や機能材料に利用されている物質の例を挙げて、現代社会と物質との関係を俯瞰します。

第1回ミニッツレポートまとめ

宇宙と物質はどこから来たのか

第2回 4/14 宇宙誕生、物質の誕生

第3回 4/21 暗黒物質と星・銀河の誕生、反物質の消滅、暗黒エネルギー

村山 斉(国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構)

そもそもこの宇宙にどうしてわれわれが存在するのか、物質はどうして生まれ、星や銀河はどうして形作られたのかを考えてみましょう。実は原子よりも遥かに小さかった宇宙をマクロな大きさに引き延ばしたインフレーションと、その途中で生まれたミクロな揺らぎ、正体不明の暗黒物質、2012年に見つかったと思われるヒッグス粒子、そして恐らくはニュートリノの不思議な性質がなければ宇宙はのっぺらぼう、空っぽ、しかも無秩序だったのです。とはいえそれぞれまだ大きな謎を抱えています。今までどこまでわかっているのか、これからの研究計画、そして時間があれば宇宙の運命についても話します。

第2回ミニッツレポートまとめ

第3回ミニッツレポートまとめ

素粒子研究の最前線-新しい素粒子像

第4回 4/28

浅井 祥仁(理学部)

2012年に発見されたヒッグス粒子は、これまでの素粒子像を変えるおおきな発見でした。素粒子の基礎的な話から始めて、ヒッグス粒子が他の素粒子と異なる点、宇宙を誕生させ進化させていった点を学びます。また、ヒッグス粒子発見により、素粒子研究は「時間・空間」を素粒子から解明していく新しい段階へと進んでいきます。最先端の実験装置の解説と合わせて新しい素粒子像について考えます。

第4回ミニッツレポートまとめ

宇宙の進化と惑星や生命を作るもの

第5回 5/12

永原 裕子(理学部)

地球や惑星、地球に生きる生命を作るものは、太陽系以前に存在していた星の最期に作られた元素から構成される鉱物や有機物であり、それらの星は主としてビッグバンにおいて合成された水素から作られました。今から46億年前、原始太陽の周りで様々な鉱物や有機物が作られ、惑星や彗星に集積し、さらにそれらの天体の内部あるいは表層において複雑な変化が進行しました。惑星がいかに形成され、地球はいかにして生命の存在しうる惑星となったのかを考えます。

第5回ミニッツレポートまとめ

物性科学はじめの三歩

第6回 5/19

家 泰弘(物性研究所)

あらゆる物質は約100種類の元素の様々な組合せでできています。物質の構成要素である原子からはじめて、複数の原子で構成される分子の構造と性質、さらには膨大な数(アヴォガドロ数~1023個)の原子や分子の凝縮相である固体や液体の電気的、光学的、磁気的性質がどのようにして生まれるかを説き明かします。特に、ミクロな構成要素間の相互作用によってマクロな秩序状態が生じる「相転移」について、その基本的な考え方を見ていきます。

第6回ミニッツレポートまとめ

ソフトマター -そのしなやかさの起源

第7回 5/26

田中 肇(生産技術研究所)

高分子・液晶・コロイド・エマルジョン・タンパク質などに代表されるソフトマターの最大の特徴は、大きな構成要素の存在に由来した構造・ダイナミクスの階層性にあります。また、一見単純に見える水などの液体もある種の階層構造を内包することが最近の研究から明らかになってきました。このような階層性の存在こそが,生体に代表されるソフトマターの示すしなやかさの起源となっています。本講義では、このようなソフトマターの特徴が如実に現れる物理現象をいくつか紹介し、そのしなやかさの起源に迫ります。

第7回ミニッツレポートまとめ

放射能・放射線

第8回 6/9

飯本 武志(環境安全本部)

原子から放出される放射線。その不思議な正体を視覚的に捉えることからはじめ、放射線に関するハザードやリスクの表現方法を紹介します。環境放射線や自然放射性物質の存在、人工放射線の有効利用、事故後に放出された放射性物質との闘い。様々な顔をもつ放射能・放射線と私たちはいかに向き合うべきでしょうか。放射線被ばくによる人体影響の知見を整理し、安全基準の設定や安全管理、放射線利用に関する基本的な考え方について総括します。

第8回ミニッツレポートまとめ

超伝導、強相関、トポロジカル物質

第9回 6/16

石坂 香子(工学部)

物質中に存在する大量の電子は互いに影響を及ぼしあい、様々な電気的・磁気的性質を生み出します。たとえば、電子が引力によりペアを組んでゼロ抵抗状態となる超伝導体や、逆に極端に強い斥力によって巨大な電気/磁気/光応答を示す強相関物質など、多様な性質の物質が存在します。また最近では、固体の中身部分は絶縁体なのに表面の薄皮部分が金属になるような天然の不思議な性質を持つトポロジカル物質が発見され、盛んに研究されています。これらの新しい物質群における電子の振舞いや物質機能、応用の可能性について考えていきます。

第9回ミニッツレポートまとめ

コンピュータの中の物質

第10回 6/23

福島 孝治(教養学部)

自然科学の研究方法にはこれまでに「理論」と「実験」の二つの方法があり、それに加えて、近年計算機を用いたシミュレーションの方法が第三の方法と考えられています。理論で扱うには複雑で、実験を行うには困難な問題に対して、計算機の中で実現しようというわけです。特に計算機の性能向上により、物質を構成するたくさんの構成要素の振舞いを基本法則から調べることが可能となってきました。計算機による物質科学の成果を概観しながら、計算機にできることとできないことの境界を考えます。

第10回ミニッツレポートまとめ

光る・覚える・駆動する-半導体の電子の凄技

第11回 6/30

川﨑 雅司(工学部)

現代社会を支えるエレクトロニクスの根幹には半導体技術があります。半導体では、電子の流れをコントロールして、発光、メモリー、スイッチ、増幅など様々な機能を実現しています。スマートフォンを例にとりあげ、これらの機能を説明し、背景にある物理原理と物質を活用するための材料化技術について説明します。同時に、かつては半導体技術で世界を圧倒的にリードした日本が、最近はあまり調子が良くない理由についても考えます。

第11回ミニッツレポートまとめ

人工光合成-太陽エネルギーから化学エネルギーへ

第12回 7/7

堂免 一成(工学部)

光合成は地球上の太陽エネルギーの約0.1%を化学エネルギーに変換するだけでなく、地球環境の維持にも必須な反応です。現代社会は、光合成の副産物である石油や天然ガスなどの化石資源を大量に消費しながら成り立っていますが、エネルギー問題や環境問題のような地球規模の問題を抱えています。光合成と同様な反応を人工的に実現できれば、このような問題を解決できる可能性があります。本講義では、人工光合成研究の現状と課題について考えていきます。

第12回ミニッツレポートまとめ

奇跡の物質- レアメタル

第13回 7/14

岡部 徹(工学部)

社会が発展し、生活が豊かになれば、高性能の電子機器が数多く使われるようになります。日常生活では直接目にすることは少ないですが、電子機器には多くのレアメタルが使われており、私たちは多種多様のレアメタルに囲まれて生活しています。いまやレアメタル抜きには、私たちの生活は成り立ちません。また、ハイテク製品だけでなく、省エネにもレアメタルは不可欠です。奇跡の物質:レアメタルの現状と課題について概説し、リサイクルの問題点などについて解説します。

第13回ミニッツレポートまとめ

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